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万葉集 巻十六 3834

梨棗黍に粟嗣ぎ延ふ田葛の後も逢はむと葵花咲く

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(梨、棗、黍に次いで、粟が実り、
 一旦分かれた葛がまた逢おうというように葵の花が咲く)

おやつに、Afternoon Teaのサツマイモのクッキーを食べていたら、
この歌を思い出した。

サツマイモ⇒芋・栗・かぼちゃの美味しい時期がやってきた!
⇒そういえば、栗の歌があったなぁ…という発想。

この歌には、6種類もの植物が詠み込まれている。
梨(なし)
棗(なつめ)
黍(きび…古代では"きみ")
粟(あわ)
葛(くず)
葵(あおい…"あふひ"で、「逢う日」をかけている。)

万葉集中に梨の歌があるとは、意外だった。
漢詩の影響なのだろう。

葛のつるを、
一度分かれた二人が再び逢うことの喩えに使っているのだが、
動植物に関する一般常識が著しく欠落しているため、
どうも像が浮かばない。

葛と聞くと、鍵善の葛きりが最初に浮かんでしまう。
食い意地の張った子だ。

一度離れて、再び近づくかのように縦横無尽に伸びるつるの様子…。
写真を見ても、どうもぴんとこない。



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なしなつめ きみにあはつぎ
はふくずの のちもあはむと あふひはなさく
by hapipi_hapipi | 2006-08-31 18:09 | 植物=本文=
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