隠口の泊瀬の山の山の際にいさよふ雲は妹にかもあらむ
*** (隠口の泊瀬の山のあたりをただよっている雲は、愛しい人でもあろうか。) この歌も人麻呂の歌。 火葬の煙と、山にただよう雲を重ねている。 愛する人の魂が、すーっと消えずに、残っている。 一つ前の208番歌もそうだが、 死者の魂が山に入っていくという、山中他界観を示している。 古代の人々が死をどのようにとらえていたかが分かる。 *** 大切なものがふえていくと、失うことの恐さもふえていく。 大切なものを失ってしまったとき、 どうやってそれを説明し、受け入れていくか。 208番歌に戻ってしまうが、208番歌は、 黄葉の美しさに惹き寄せられ、山に入り、道に迷ってしまったために、 愛する人がこの世からいなくなってしまったと、死の理由を説明する。 自分の意思ではなく、 相手(人・事物・事象etc)に惹き寄せられてしまうということはあると、 私は思っている。 自分の意思ではないと言っても、 こちらの側に、惹き寄せられてしまう態勢があるからだけど。 現代の考え方では、深層心理だと説明されてしまう。 宗教っぽいが、 簡単に惹き寄せられないような、強固な魂を作りたい。 *** こもりくの はつせのやまの やまのまに いさよふくもは いもにかもあらむ
by hapipi_hapipi
| 2006-10-20 08:16
| 空=本文=
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