万葉集 巻十五 3580

君が行く海辺の宿に霧立たば吾が立ち嘆く息と知りませ

***

(あなたが行く海辺の宿に霧が立ち込めたなら、それは私が嘆いている吐息だと
知ってください)

旅の歌。旅に出た恋人を待つ側の心境が歌われている。
古代では、霧は息だと考えられていた。息は魂のあらわれである。
魂が自然をコントロールしているのだ。

旅は現代とは違い、危険なものだった。
道中の安全の不安と、待つ側の心の不安が霧という形で表現されている。
霧が出ていると、視界も悪くなり、安全な状態ではない。
とは言うものの、霧の中に入ったとき、その霧が恋人の魂によるものだとしたら。
恋人の魂に守られているのだ。
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by hapipi_hapipi | 2005-03-24 23:00 | 旅=本文=
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