万葉集 巻五 837

春の野に鳴くや鶯懐けむとわが家の園に梅が花咲く

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(春の野に鳴いている鶯をわが家の庭に呼び寄せようと梅の花が咲く)

春の訪れは鶯によってもたらされる。梅は春の花。
鶯も梅も季節の象徴である。

野で鳴いている鶯を、家の庭に呼び寄せようと梅の花が咲く。
この歌からは、
季節の鳥がやってきてから花が咲くのではなく、植物の変化のほうが先で、
その後に鳥がやってきたことが分かる。

面白いのは、鳥の鳴き声がきっかけで花が咲いている点だ。
都の中に鶯がやってくるのと、都の家の庭に咲く梅の花の変化では、
梅の花の変化のほうが先ではあるのだが、
その際、「都」の前段階である、「野」の空間で鶯が鳴いたために、
「都」の梅に変化が顕れているのだ。

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今は、春と言えば桜。
桜の開花が本格的な春の到来と感じる人が多いのではないだろうか。
これは、時代による文化の違いだから別に問題でもなんでもないが。
私は桜よりも梅の花が好きだな。

桜と聞くと思い出す景色がいくつかある。ベスト3の発表!
1位 森林公園の桜吹雪
…小学校低学年の頃かな。
マラソン大会出場のために行った森林公園での桜吹雪。
両親が、「こんなの初めて!」とはしゃいでいたのが懐かしい。

2位 図書館3階からの桜
…大学3年から4年になるときの春休み。
窓から見る景色が一面桜。図書館には人がほとんど居なくて、
贅沢な景色を独占してた。

3位 小さな頃から慣れ親しんだ地元の桜並木。
…幼稚園の頃かな。
週末に家族で、桜並木の下を自転車で通ったときの景色。
自転車の後ろに乗ってた感覚まで思い出す。
私が大学入学した春までは、近くの公園に家族で桜を見に行ってたな。
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by hapipi_hapipi | 2005-03-26 12:03 | 音景色=本文=
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