万葉集 巻四 760

うち渡す竹田の原に鳴く鶴の間無く時無しわが恋ふらくは

***

(竹田の原で止まることなく鳴き続けている鶴のように、自分も絶え間なく恋しく思っているよ)

恋人への思いがどのくらいの思いなのか、量をはっきりと示せるようなものではない。
この歌では、どのくらいの思いなのか、そのスケール感を、鳥の声を用いて表している。

「恋ふらくは」とあるが、恋(こい)は、乞うということ。
会えないときに、会いたいと乞うているのだ。
では、会ったらどうなるのか。
愛(あい)になる。

目合い(まぐあい)という言葉がある。
恋人同士が見つめあっている状態。一夜を共にするという意味でも使われている。

七夕の夜に、織姫と彦星が会う、星合い。
素敵な言葉だと思う。

***

この歌とは直接関係ない話だけど…
私は人の目の力が好きだ。
「目の力」とまではいかなくても、話しているとき、見ているとき、
相手(対象となる人)の目から、いろんなことを感じる。

自分がどれだけ相手のことを思っているのか。
相手がどれだけ自分のことを思っているのか。
この歌では、定量表現で伝えられない「これくらい」という感覚を、
鳥の声と重ねているが、今だと、どんな言葉になるんだろう。

私は「どれくらい」、相手のことを思っているのだろう。
[PR]
by hapipi_hapipi | 2005-03-29 04:19 | 音景色=本文=
<< 万葉集 巻二十 4445 万葉集 巻五 837 >>