カテゴリ:音景色=本文=( 39 )

万葉集 巻十 1938

旅にして妻恋すらし霍公鳥神名備山にさ夜更けて鳴く

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(旅で霍公鳥も妻恋するようだ。神名備山で夜更けに霍公鳥が鳴いている。)

先月から、期せずして、
『般若心経』の勉強をしているのだが、
分かりやすい注釈書がなく、難航している。

『般若心経』中に登場する、
「六識」についての思想が興味しろい。

「六識」とは、認識作用のことで、
眼識(げんしき)…見る心
耳識(にしき)…聞く心
鼻識(びしき)…嗅ぐ心
舌識(ぜっしき)…味わう心
身識(しんしき)…触れる心
意識(いしき)…思う心

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感と、
現代で言うところの第六感(?)。

この、「意識」だけは、現代でも一般的に使われている。

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写真提供:Yoko

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(万葉集 巻十 1938)
たびにして つまこひすらし ほととぎす
かむなびやまに さよふけてなく
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by hapipi_hapipi | 2007-07-05 22:15 | 音景色=本文=

万葉集 巻十五 3782

雨隠り物思ふ時にほととぎすわが住む里に来鳴き響もす

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(雨隠りをし、物思いに耽っている時、
 ほととぎすは私が住んでいる里にやって来て鳴き声を響かせる。)

中臣朝臣宅守から狭野茅上娘子への贈答歌の一つ。

この歌が収録されている巻十五は、
前半が天平八(736)年の遣新羅使歌、
後半は、天平十一(739)年頃、
越前に配流された中臣朝臣宅守と狭野茅上娘子との贈答歌
という構成をとっている。

「雨隠り(あまごもり)」は、
雨が降って、家に隠ること。雨に降り込められること。

古代では、雨が降ったら、
外出してはいけないと考えていたようだ。

「雨障み(あまつつみ)」という言葉もある。

***

雨は苦手だ。

学部時代は、
雨が降ると、「雨障み」と理由付けして、よく休んでいた。
今でも休みたくなる。

休日に雨が降った場合、
外出するのは、本当に重要な用事のときだけで、
基本は家にいることに慣れて育ったため、
(両親の出不精さに疑問を感じることなく育ったため…)
あるとき、雨の日に、"えいやっ"と気合を入れて出かけて、
意外と人が多いことにびっくりした覚えがある。

すっきりしない天気が続いている。

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写真提供:Yoko

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(万葉集 巻十五 3782)
あまごもり ものもふときに
ほととぎす わがすむさとに きなきとよもす
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by hapipi_hapipi | 2007-07-03 20:29 | 音景色=本文=

万葉集 巻八 1484

霍公鳥いたくな鳴きそ独り居て寝の寝らえぬに聞けば苦しも

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(霍公鳥よ、そんなに鳴くな。
 独りで寝られずに居るときに霍公鳥の鳴き声を聞くのは苦しいことよ。)

中学生か高校生の頃、
池袋のメトロポリタンプラザ内に
オーラソーマのカラーセラピー店がオープンした。

いろんな色のボトルがたくさん並んでいて、
お店の前を通るたび、いつも気になっていた。

いつの間にか存在を忘れていたのだけど、
web上で試せるフリーの「オーラソーマ・カラー心理診断」
友人が紹介していたため、早速やってみた。

2色のカラーで構成されている105種類のボトルから4本を選び、
選んだボトルの意味・2色のカラーの意味・選んだ順番等から診断する。

私は"当たっている指摘"や"当たっていて欲しい指摘"が多かった。
興味のある人は、お試しあれ!

⇒☆結果(20070621)☆
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by hapipi_hapipi | 2007-06-22 00:26 | 音景色=本文=

万葉集 巻四 735

春日山霞たなびき情ぐく照れる月夜に独りかも寝む

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(春日山に霞がたなびき、私の心もふさいでいる。
 月が明るく照っている夜なのに、独り寝することよ。)

坂上大嬢が家持に贈った歌。

美しい月夜で、
共寝ができるはずの夜なのに、恋人の訪れがなく、
独りで寝なければならない夜。

「情(心)ぐく」は、形容詞「情(心)ぐし」の連用形。
心が晴れ晴れしない意。

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昨日、四つ葉のクローバーをもらった。
希望・信仰・愛情・幸福。

良いことあるかな…。

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(万葉集 巻四 735)
かすがやま かすみたなびき こころぐく
てれるつくよに ひとりかもねむ

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by hapipi_hapipi | 2007-05-18 20:48 | 音景色=本文=

万葉集 巻十 1981

霍公鳥来鳴く五月の短夜も独りし寝れば明しかねつも

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(霍公鳥がやって来て鳴く五月の夜は短いはずなのに、
 独りで寝ていると、夜明けが待ち遠しく、こらえきれなくなる。)

「短夜(みじかよ)」は、
万葉集中、この一例のみの言葉である。

夏の短い夜。

反意語は、秋の長い夜。
「長夜(ながよ)」が想像できるだろう。

夜が長いことを詠んだ歌は何例かあるが、
「長夜」という語を含んだ歌は、こちらも、一例(巻十・2302)しか確認できない。

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写真提供:Yoko

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(万葉集 巻十 1981)
ほととぎす きなくさつきの みじかよも
ひとりしぬれば あかしかねつも
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by hapipi_hapipi | 2007-05-07 16:41 | 音景色=本文=

万葉集 巻五 827

春されば木末隠れて鶯そ鳴きて去ぬなる梅が下枝に

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(春になると梅の梢に姿を隠して鶯が鳴き渡っている、下枝と行き来しながら。)

鶯の鳴き声で目を覚ます…。
まさか現実になるとは思ってもいなかった。

先々週、生まれて初めて、鶯の鳴き声を聴いた。
そのときは、二声くらいで、すぐに、聴こえなくなってしまった。

そして、一昨日の朝。
鶯の鳴き声で目を覚まし、
しばらく、そのまま鶯の鳴き声を聴いていた。
居ても立ってもいられなくなり、隣で寝ている夫を起こしたら、
乗り気になってくれ、寝起きのまま、急いで一緒に見に行った。

声がするほうに歩いていき、姿を見つけた瞬間の嬉しさ。
良い土日のスタートになったのかな。

***

「木末(こぬれ)」は「木(こ)の末(うれ)」のこと。

「去ぬ(いぬ)」は、
梅の梢の下のほうと上のほうを行き来する鶯が、
こんもりした下枝に隠れて見えなくなる様子を表している。

「いぬ(去ぬ・往ぬ)」の類義語、「いく(行く・往く)」。
「いぬ」は、人が亡くなったときにも使われる語で、
その場所から消えてなくなる、いなくなる、見えなくなる意。
「いく」は目的地に向かって進行する意が強い。

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by hapipi_hapipi | 2007-03-26 08:55 | 音景色=本文=

万葉集 巻十六 3840

世間の繁き仮廬に住み住みて至らむ国のたづき知らずも

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(世間という煩わしい仮の宿りのこの世に住んできて、
 これから行きつくであろう国(あの世)の状況も分からない。)

美大に通う友達の卒業制作展を見に行ってきた。

彼女の絵との最初の出会いは、高校1年の入学式直後。
一人一人、B5一枚の紙に自己紹介を書く…という作業のとき、
隣の席に座っていた彼女が描いている絵に一目惚れした。

初めて彼女の絵を見た日から、もうすぐ10年になる!
私は、彼女の絵が大好きだ。

卒業制作の感想、
早く伝えたいなぁと思っているのだけど、
まだ、言葉に還元できていない。

展示している絵に言葉を足した画集も見せてもらった。
その中に、こんな言葉があった。


   "やりたかったこと
    言えなかったこと

    いつもどこかに
    心を残してきた"

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by hapipi_hapipi | 2007-02-20 16:21 | 音景色=本文=

万葉集 巻十六 3849

生死の二つの海を厭はしみ潮干の山をしのひつるかも

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(生と死の二つの海が厭わしいので、海のない山が慕わしい。)

世の中の無常を詠った歌。
人間の境遇を、「生という海」と「死という海」にたとえている。

この歌に続く3850番歌には、
  右の歌二首は、河原寺の仏堂の裏に、倭琴の面にあり。
と左注が付けられていて、ここに引いた3849番歌と、
次の歌である3850番歌の二首が、
河原寺の仏堂の中にある倭琴の面に記されていたことが分かる。

***

昨日の7時に着手し、今日の13時まで、
30時間連続して取り組んだレポートを無事に提出できたため、
ほっと一息。

徹夜は滅多にしないのだが、
いざというときには、出来るものなんだなぁと、
妙に感心してしまう。

私は、徹夜明けに寝るのは好きではないため、
次に訪れる夜まで、そのまま普通に生活をする。

きっと、今晩は、気持ち良く眠れるだろうな…。

"30"と言えば、
先週、髪の毛を30cm程切った。
こんなに一度に切るのは、初めてのことだ。

髪を切った翌日は、
突然、思い立って、BLUE NOTEに行った。

歳のせいなのか、
バスター・ウィリアムスもジミー・コブも、
色んな意味でびっくりな演奏だったが、
楽しい時間が過ごせたのは確か。

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by hapipi_hapipi | 2007-02-09 19:09 | 音景色=本文=

万葉集 巻八 1552

夕月夜心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも

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(夕月の照る夜、心もしなえるように白露の置くこの庭で、
 蟋蟀が鳴くことよ。)

以前、『万葉集』中には、
"蟋蟀"という語を詠み込んでいる歌が7首あることを記した。

ここまで、連続して取り上げてきたのだが、
最後の1首がこの歌。

7首を見比べて、
気がつくことはあるだろうか。

一つに、収録されている巻が異なるという点がある。

今までの6首が、
巻十に収められているのに対し、
今回の歌だけは、巻八に収められている。

万葉集は巻一から巻二十までの、
二十巻構成。

巻毎に、特色があり、
巻八と巻十は、四季の歌が春から順に収められている。

歌の表現を見比べても、
いろんな発見・問いが浮かんでくる。

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by hapipi_hapipi | 2006-09-26 08:25 | 音景色=本文=

万葉集 巻十 2310

蟋蟀のわが床の辺に鳴きつつもとな 起き居つつ君に恋ふるに寝ねかてなくに

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(蟋蟀が私の床の近くでしきりに鳴き続けている
 起きて座っていながらあなたを恋しく思っていると寝られないことよ。)

3月末に父方祖母が緊急入院してから、
毎週末、東京-名古屋間を往復している両親。

(不謹慎発言だけど)
病院での母は、生き生きしている。
看護婦をやっていただけあり、手際が良い。
素人よりは知識があるわけで、頼もしい。
ただ、心配もある。

母の性格もあるが、
"知っている"だけに、尚のこと、
「自分が行かないと…」という思いが強過ぎで、
父を置いて一人で行くことはあっても、
母は一週も欠かすことなく、通い続けてきた。

個人病院に入院しているため、
家族が担当する仕事がたくさんある。

子供としては、両親の体も心配だ。

この土日は、私と夫の二人で行ってきた。
初めて、母が家で休んでくれた。

母のことだから、
こちらのことが心配で、休まらなかったのだろうけど。

入院して直ぐの頃、
父・母・兄・私の家族4人が交代で、
24時間、祖母に付き添っていたときがある。

この半年は、
家族の力を感じる機会が多い。

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by hapipi_hapipi | 2006-09-25 07:52 | 音景色=本文=