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万葉集 巻十一 2654

君に恋ひ寝ねぬ朝明に誰が乗れる馬の足音そわれに聞かする

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(あなたを思って寝られなかった夜明けに、誰かが乗った馬の足音を私に聞かせてくるよ)

恋人の訪れがなく、一人、恋人を思いつづけた夜明けに、
外から聞こえてくる馬の足音を聞いている。

聞いているというよりは、聞かされている。
音が聞こえてきてしまう。

一夜を共にした恋人のところから、馬に乗って帰っていく誰か。

この歌での馬の足音は、
どこかの誰かは、幸せな時間を過ごしたことを知らせる音になっている。

同じ音でも、
聴く人・聴く状況によって、いろんな意味付けがされる。

そんな音の世界を垣間見るのがおもしろい。

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by hapipi_hapipi | 2005-11-26 13:50 | 音景色=本文=

万葉集 巻七 1068

天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ

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(天の海に雲の波が立ち、月の船が星の林に漕ぎ隠れていくのが見える)

天→海
雲→波
月→船
星→林

空の事物が、地上の事物に見立てられている。

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見れるかどうかも分からない流星を見たくて、
寒い夜空の下、何時間もじっと待っていたことがある。
どうしても見たくて。

見ることができたら、何かが変わる気がした。
大学1年生のとき。

自分一人の力では到底変えることのできない状況でも、
他の力を借りることによって変えられるのではないかと。

この時期になると、その頃のことをよく思い出す。

流星に願いを託そうというような思いからではなく、
どこまで待てるのか、粘れるのか、耐えられるのか…
そんな思いが強かった。
単純に、見たいという気持ちもあったけど。
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by hapipi_hapipi | 2005-11-16 19:24 | 空=本文=

万葉集 巻八 1613

秋の野を朝行く鹿の跡もなく思ひし君に逢へる今夜か

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(秋の野を朝歩いていく鹿が跡を残さないように、
ただただ思うことだけしかできないあなたに逢うことができた今夜。)
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by hapipi_hapipi | 2005-11-13 14:00 | 恋=本文=