山菅の止まずて君を思へかもわが心神のこのころは無き
*** (山菅のように止むことなくあなたを思うからか、 私の心はこの頃、無くなってしまっている。) 「山菅(やますげ)」と「止まず(やまず)」が、 「やま」の音で呼応している。 前回の3972番歌の「心神」は、 souuさんからいただいたコメントにあった通り、原文は「許己呂度」。 今回の3055番歌や、 月草さんがコメントに引いてくださった457番歌は、 原文表記が「心神」。 457番歌や3055番歌の「心神」が、 3972番歌で「許己呂度」に「心神」を当てて訓読している 根拠になっている。 以前にも書いたが、 このブログで使っているテキストは、 中西進『万葉集 全訳注原文付(一)~(四)』講談社文庫 1978~1983。 万葉集には訓みの定まっていない歌も多く、 時代や注釈書によりかなりの差異がある。 457番歌や3055番歌の「心神」についても、 「こころど(こころと)」と「たましひ」と両訓がある。 *** インフルエンザをこじらせ、半月寝込んでしまった。 ここまで何もしないで過ごすのも、久しぶりだ。 半月分の遅れを早く取り戻さないと…。 *** (万葉集 巻十二 3055) やますげの やまずてきみを おもへかも わがこころとの このころはなき
by hapipi_hapipi
| 2007-08-18 18:04
| 恋=本文=
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